コインパーキングと月極駐車場の違いは?それぞれのメリットを解説
2023.12.27コインパーキングと月極駐車場には、どのような違いがあるのでしょうか。コインパーキングと月極駐車場の特徴や経営に必要な諸費用、それぞれのメリットなどを解説します。
目次
コインパーキングと月極駐車場の違いは?メリット・デメリットを解説
余っている土地を活用して収益を上げる土地活用の手段のひとつが、駐車場経営です。経営できる駐車場の形態には、大きく分けると、コインパーキングと月極駐車場の2つがありますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、コインパーキングと月極駐車場について、それぞれの特徴や経営するために必要な諸費用、メリット・デメリットについて解説します。
コインパーキングと月極駐車場の特徴
駐車場の形態には、大きく分けると、月極駐車場とコインパーキングの2種類があります。それぞれの特徴は、下記のとおりです。
コインパーキングは利用者が利用時間に応じた料金を支払う仕組みの駐車場
コインパーキングは、不特定多数の利用者が空き室に車を停め、利用した分の料金を支払う仕組みの駐車場のことで、時間貸し駐車場ともいいます。
コインパーキングは、空き室があるとその分の収入が入ってこなくなってしまいますが、繁華街のように駐車場需要が多い立地であれば、高い稼働率が期待できます。ただし、料金精算機や車両をロックする装置を設置する必要があるため、月極駐車場よりも高い初期費用がかかる点は、月極駐車場のデメリットです。
また、コインパーキングの経営方法には、大きく「個人経営」「管理委託方式」「一括借り上げ方式」の3つがあります。それぞれの特徴やメリット・デメリットは下記のとおりです。
・個人経営方式
個人経営方式は、駐車場の企画・設計・施工から運営管理まで、すべてのプロセスをオーナー様自身が手配する方法です。専門的な作業も外部に依託しないため、経営開始後に発生した収益がそのままオーナー様のものになるのが、個人経営方式のメリットです。
ただし、土地の整形や草木の除去をはじめ、掃除、トラブル対応、緊急対応、清算機のお金の回収などをすべて一人で行わなければならず、手間と時間がかかるというデメリットもあります。
・管理委託方式
管理委託方式は、文字通り、管理を委託する方式です。
管理委託方式の場合は、土地の整備や機器の導入まではオーナー様が行い、掃除やトラブル対応、利用料金の回収といった運用業務を管理業者や駐車場経営企業に任せます。初期費用はかかるものの、何度も駐車場に足を運ぶ必要はありません。多忙で小まめな巡回が難しい方、土地の所在地から離れた場所に居住している方などにおすすめの経営手法です。
・一括借り上げ方式
一括借り上げ方式は、所有する土地をそのまま駐車場経営企業に貸し出す方法で、コインパーキングの経営手法としてはスタンダードです。
個人経営や管理委託方式でかかる初期費用も仲介業者の負担で、運営も一任することができます。そのため、オーナー様は一切の管理業務を行う必要がなく、ただ毎月一定の賃料を受け取るだけで手間もかかりません。また、利用者の増減が収入に影響しないのもポイントです。
月極駐車場とは特定の利用者が賃料を支払って借りる駐車場のこと
月極駐車場とは、特定利用者が毎月の賃料を支払うことで車室を借りるタイプの駐車場のことです。
マンションやアパートの家賃収入に近いイメージを持っていただくとわかりやすいでしょう。住宅地など利用者が多く見込める立地の場合は空き室の心配も少なく、安定して収入を得られる点が、月極駐車場のメリットといえます。また、料金精算機や車両をロックする装置なども不要なので、コインパーキングと比べて初期費用をさらに抑えられる点も、月極駐車場のメリットです。
コインパーキング経営の初期費用と維持費用
コインパーキング経営を行うには、どのような費用がかかるのでしょうか。
ここでは、コインパーキングを経営する際にかかる初期費用と維持費用について、詳しく説明します。
コインパーキングの初期費用
コインパーキングは、管理人を置かずに24時間経営できる駐車場です。人がいなくても確実に料金を回収できるよう、土地の整備費用やアスファルト舗装費用などに加えて料金精算機、車両の出入りを制御して料金を算出するためのロック板などへの初期投資が必須です。
設備費は駐車場経営企業が使用する機器によって異なるものの、初期費用は概算で数百万円になり、個人経営を選択した場合はすべてオーナー様の負担になります。管理委託方式の場合は駐車場経営企業の方針によって異なりますが、オーナー様の負担になることが多いでしょう。
一方、一括借り上げ方式を選択した場合、設備にかかる費用はすべて駐車場経営企業が負担します。オーナー様が負担するのは土地の整備費用とアスファルト舗装費用がメインで、他の手法に比べて初期費用を抑えることができます。こうした費用面でのメリットから、コインパーキングの経営を始める際には、一括借り上げ方式を選択するのが一般的です。
<コインパーキングの初期費用>
・上物が建っている場合は解体費用
・整地費用
・土地の切り下げ費用
(駐車車両の出入りを円滑にするため、敷地の全面や隣にある土地との段差をなくす工事)
・樹木などを含む障害物の撤去または移設の費用
・アスファルト舗装費用
・料金精算機、ロック板などの設備機器の費用
※一括借り上げ方式の場合は不要
・監視カメラの設置費用
(駐車場経営企業やオーナー様要望による)
コインパーキングの維持費用
コインパーキングを経営する際には、設備機器、および土地の維持にかかる費用も考慮しなければなりません。
一括借り上げ方式の場合、設備機器にかかる費用はすべて仲介業者側の負担ですが、土地に関する費用は所有者であるオーナー様の負担になります。
また、土地の広さやコインパーキングで得た収益に応じて、固定資産税、所得税、住民税の支払いも発生します。
個人経営の場合は、土地にかかる税金に加え、設備機器のメンテナンスや修理代、電気代、保険料や警備費などもかかることを覚えておきましょう。
<コインパーキングの維持費用>
・税金(固定資産税、所得税、住民税)、自治会費などの公租公課
・清掃費
※一括借り上げ方式の場合は不要
・機械のメンテナンス代
※一括借り上げ方式の場合は不要
・保険料、警備費用
※一括借り上げ方式の場合は不要
・駐車場の整備費
※一括借り上げ方式の場合は不要
月極駐車場の経営にかかる費用
月極駐車場の経営を行うには、どのような費用がかかるのでしょうか。
ここでは、月極駐車場の経営にかかる初期費用と維持費用について、詳しく説明します。
月極駐車場の初期費用
月極駐車場を経営する際、土地の整備費用、アスファルト舗装やコンクリート舗装の費用、車室に設置する車止めの購入費などがかかります。一般的に、コインパーキングより設備投資にかかる費用は安価であることが多いでしょう。
ただし、土地に上物がある場合は解体費がかかります。
<月極駐車場の初期費用>
・整備費用
・舗装費用
・車止め
・車室を設けるためのライン引きやロープなどにかかる費用(必要に応じて)
・上物が建っている場合は解体費用
月極駐車場の維持費用
月極駐車場を経営すると、固定資産税、住民税に加えて収入に応じてかかる所得税などの税金が発生します。また、駐車場の状態に応じた整備費用、清掃費、保険料などもかかります。
<月極駐車場の維持費用>
・固定資産税、所得税、住民税、自治会費などの公租公課
・整備費
・清掃費
・保険料
コインパーキングのメリット
コインパーキングのメリットとしては、どのようなことが挙げられるのでしょうか。
ここでは、コインパーキングの3つのメリットについてそれぞれ詳しく解説します。
狭小地や変形地でも活用可能
一般的な土地活用には狭すぎる土地や変形した土地でも活用できる点は、コインパーキング経営のメリットです。
コインパーキングは、車の出入りが可能で清算機を置くスペースがあれば、どんな土地でも開業できます。
「この土地は狭すぎるから、どうしようもない」と放置していた土地も、一度は駐車場経営企業に相談し、コインパーキングとして活用できないか確認してみるのがおすすめです。
一括借り上げ方式なら短期でも運用できる
一括借り上げ方式で経営しているコインパーキングの場合、短期でも運用できるというメリットもあります。
コインパーキングの一括借り上げは、2年から5年の契約が一般的です。そのため、「家を建てるまで活用したい」「数年後には売却したい」という場合にも活用しやすいでしょう。
一定の賃料が継続的に受け取れる
一括借り上げ方式で経営しているコインパーキングの場合、稼働率にかかわらず、オーナー様には毎月一定の賃料が入るというメリットもあります。
収入の増減がなく、安定的に収入が得られるため、投資の初心者でも安心して始められるでしょう。
コインパーキングのデメリット
コインパーキングには、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。
ここでは、コインパーキングの2つのデメリットについて、それぞれ詳しく解説します。
賃料を下げざるをえない場合がある
集客できない収益性の低い土地の場合、毎月の賃料を下げざるをえない場合があるのは、コインパーキングのデメリットです。
また、近隣にコインパーキングがたくさんあり、価格競争になった場合も、同様に賃料を下げなくてはなりません。このようなことがないように、あらかじめ十分なリサーチを行っておきましょう。
駐車場内のトラブルが多い
駐車場内のトラブルが多い点も、コインパーキングのデメリットです。
コインパーキングには、毎日多くの人が出入りします。そのため、時には、料金を払わずに車を出されたり、利用者同士の言い争いなどが発生したりすることもあります。
そのようなトラブル対応をすべてオーナー様だけで行うのはかなりの労力がかかるため、開業してしばらくの間は、駐車場経営企業に管理業務を含めて委託するのがおすすめです。
月極駐車場のメリット
月極駐車場のメリットとしては、どのようなことが挙げられるのでしょうか。
ここでは、月極駐車場の2つのメリットについて、それぞれ詳しく解説します。
コインパーキングと比べて安定的な収入が見込める
初期費用を抑えて経営を開始でき、かつ安定的な収入が見込める点は、月極駐車場の大きなメリットです。
コインパーキングは日によって顧客数の増減がありますが、月極駐車場は1ヵ月ごとの更新で、かつ契約期間がコインパーキングより比較的長期にわたるケースが多いといえます。そのため、コインパーキングに比べて、長期的に安定した収入を見込むことができるのです。
利用料金が前払い制
利用料金が前払い制である点も、月極駐車場のメリットです。
月極駐車場の契約は、アパートやマンションの物件契約と同様、翌月分の賃料を前払いしてもらう方式が一般的です。そのため、未納リスクが少なく、賃料の支払いに伴うトラブルが起きにくいといえます。
月極駐車場のデメリット
月極駐車場にはメリットがある一方で、デメリットもあります。
ここでは、月極駐車場の2つのデメリットについて、それぞれ詳しく解説します。
空室が出ると収入が減る
空室が出ると、その分収入も減ってしまう点は、月極駐車場のデメリットです。
月極駐車場の場合、その月の収入は、利用者の契約数と直結します。月極駐車場を経営する場合は、空室をできるだけ減らすために、継続的に契約者を集める必要があります。そのための広告宣伝活動、およびその費用がかかるのも、月極駐車場経営のデメリットのひとつです。
土地の見極めが難しい
土地の見極めが難しい点も、月極駐車場のデメリットです。
駐車場を経営するうえで最も重要なのが、土地の選定です。特に地方の場合は、駐車場のニーズ自体が低いことも考えられるため、慎重な判断が必要です。土地勘がない地方の土地を活用したい場合や駐車場経営に慣れていない場合は、事前に地域の特徴やニーズ、競合の有無などを十分リサーチしておくようにしましょう。
コインパーキングと月極駐車場かで迷ったら、プロにご相談ください
コインパーキングと月極駐車場には、それぞれメリット・デメリットがあります。立地や周辺環境によってもベストな選択は異なるため、迷ったらプロに相談するのがおすすめです。
株式会社トヨタエンタプライズでは、オーナー様一人ひとりに合った土地活用の方法をご提案し、駐車場経営の成功をサポートいたします。駐車場経営のパートナーをお探しの方は、下記ページのフォームよりお問い合わせください。