コインパーキング経営とは?駐車場経営企業を選ぶポイントなどを解説

2023.11.28
コインパーキング経営とは?駐車場経営企業を選ぶポイントなどを解説

余っている土地がある場合、コインパーキングにして収益を上げたいと考えるオーナー様は少なくないでしょう。コインパーキング経営は始めるのにそれほど専門知識を必要とせず、ほかの土地活用に比べて初期費用も安く抑えられるなどのメリットがあります。

今回はコインパーキング経営の概要や具体的な経営方法、コインパーキング経営のメリット・デメリット、駐車場経営企業の選ぶ際のチェックポイントなどについて解説します。

コインパーキングとは、時間あたりの利用料を支払うことで利用できる駐車場のこと

コインパーキングとは、不特定多数の利用者が時間あたりの利用料を支払うことで利用できる駐車場のことです。1ヵ月単位で利用者に貸し出し、定額を受け取る月極駐車場とは異なり、停車時間に応じて収益がアップするのが特徴です。

ただし時間貸しのため、利用者が料金を支払うための精算機や、不法に駐車されないためのロック板、コインパーキングであることをわかりやすく示すための看板などの設備が必要になります。初期費用はかかりますが、一度設備を整えてしまえば管理人不要で24時間営業が可能です。

コインパーキング経営にかかる初期費用は?

コインパーキング経営にかかる初期費用は?

土地さえあれば、マンション経営などのほかの土地活用よりも比較的始めやすいのがコインパーキング経営ですが、やはりある程度の初期費用は必要になります。ここでは、コインパーキング経営と月極駐車場に共通して必要な初期費用と、コインパーキング経営のみ必要な初期費用について、それぞれ説明します。

コインパーキング経営と月極駐車場に共通して必要な初期費用

コインパーキング経営と月極駐車場に共通して必要な初期費用は、土地の整備費用とアスファルトの舗装費用です。また、土地が更地ではなくマンションやアパートなどの上物(建物)がのっている場合は、それらの解体費用がかかります。

また、必須ではありませんが、多くの場合、「切り下げ工事」のための費用がかかります。切り下げ工事とは、車道と歩道の間を区切っている縁石を切り下げて段差をなくす工事です。通常、車道は、車が歩道に侵入しないように縁石で区切られていますが、駐車場を作る場合は歩道を経由して敷地内に車が入りやすくしなければならないため、縁石による段差をなくす必要があるのです。

コインパーキング経営のみ必要な初期費用

コインパーキング経営の場合のみ必要な初期費用としてまず挙げられるのが、料金精算機にかかる費用です。コインパーキングは、「利用者が駐車した時間×1時間あたりの料金」で毎回の駐車料金が決まるため、利用者が車を出す際に料金を支払う仕組みになっています。ただ、そのために人を雇って24時間対応するのは現実的ではないため、料金精算機を設置する必要があります。

また、コインパーキング経営の場合、駐車料金を支払わないまま車が出ていかないようにするロック板も必要です。重ねて、トラブルが起きた場合に備えて監視カメラも設置すべきでしょう。

コインパーキングを無人で24時間運営するためには、これらの設備投資が必要不可欠です。ただし、これらの初期費用をコインパーキングのオーナー様が支払わない「管理委託方式」という経営方法もあります。管理委託方式を含めたコインパーキングの経営方法については、次で詳しく説明します。

コインパーキングの経営方法

コインパーキングには大きく3つの経営方法があります。経営方法によって収入の形式や初期費用が違ってくるため、オーナー様の事情に合わせて選択することが重要です。

ここでは、コインパーキングの3つの経営方法について、それぞれ詳しく説明します。

個人経営方式

個人経営方式は、コインパーキングを始めるために必要な一連の工程をすべてオーナー様が手配して行う方式です。具体的な工程としては、土地の整備やアスファルト舗装、切り下げ工事、料金精算機やロック板、監視カメラの設置などが挙げられます。個人経営方式の場合、初期費用がすべてオーナー様の負担になる上、スムーズにコインパーキング経営を開始するためには知識や経験も必要になります。また、コインパーキング経営が始まってからも、清掃やトラブル対応などをオーナー様自身で対応しなければなりません。

そのため、個人経営方式はオーナー様にとっては負担の大きな経営方式といえますが、一方で、コインパーキングからの収益はすべてオーナー様のものになるというメリットもあります。

管理委託方式

管理委託方式は、コインパーキングの経営自体やインパーキング経営を始めるための諸準備をオーナー様が担った上で、その後の駐車場の管理については駐車場経営企業に委託する方式です。

駐車場経営企業への委託料はかかるものの、管理委託方式を採用することで、オーナー様の負担を大きく軽減することができます。例えば、土地が遠方にあり、なかなかオーナー様自身で管理することが難しい場合や、オーナー様が管理に慣れていない場合、管理の手間をかけたくない場合などに適した経営方式だといえます。

一括借り上げ方式

一括借り上げ方式は、コインパーキングの経営も含めて、すべてを駐車場経営企業に任せる方式です。委託された会社が設備の導入から管理まで行うため、オーナー様は初期費用も管理費用も負担する必要がありません。

一括借り上げ方式は、言い換えると「オーナー様が土地を駐車場経営企業に貸し出している状態」なので、オーナー様に入ってくる収益は駐車場の利益ではなく、賃貸収入となります。そのため、駐車場の稼働率が低くても収入が変わらないというメリットはありますが、個人経営方式や管理委託方式に比べると収入は低くなります。

コインパーキング経営に向いている土地の特徴

コインパーキング経営に向いている土地の特徴

余っている土地を駐車場にして経営する場合、まず決めなければならないのが「月極駐車場」にするのか「コインパーキング」にするのかという点です。どちらに向いているのかは、土地の特徴によって決まります。

ここでは、コインパーキング経営に向いている土地の特徴について解説します。

コインパーキング経営に向いている土地の特徴の図解

繁華街に近い

繁華街に近い土地は、コインパーキングに向いています。

繁華街は人が多く、それでいて道が狭くて入り組んでいることが多い場所です。そもそも広い駐車場が少ないため、車の数に対して駐車できるスペースが限られており、駐車場に対して高いニーズがあります。

道路幅が5メートル以上ある

道路幅が5メートル以上ある場所に面した土地もコインパーキング経営に向いているといえます。

幅の広い道路は、幹線道路などの主要な道につながっていることが多く、走っている車が看板などに気づいて駐車する可能性が高いためです。また、道路幅が広いということは、車が入りやすく、運転手にとってもコインパーキングに入れるまでの心理的なハードルも低いといえます。

逆に、道路幅が狭く、主要な道路に接していない入り組んだ場所はコインパーキングに向いていない可能性があります。狭い道路は運転手にとっても走りにくく、駐車しにくいため、車室の稼働率を上げにくいのです。

高低差がない

高低差がない土地

高低差がない土地も、コインパーキングに向いています。

道路からコインパーキングに車を入れる際や敷地内を通行する際、段差はできるだけないほうが運転しやすいといえます。段差がある土地の場合、運転手は「出入りや通行の際に車が揺れたり車体が傷ついたりする恐れがある」と考えるかもしれません。

もし高低差がある土地の場合は、スロープ工事を行うなどして、高低差を解消しましょう。

近所に満室のコインパーキングがある

近所にあるコインパーキングが常に満室で高い稼働率を出しているようなら、その場所はコインパーキングの需要が高い土地であるといえます。

駐車場の需要が確実にあるのは繁華街や都心部などですが、一見するとコインパーキングに向いてなさそうな土地でも、さまざまな要因により駐車場への高いニーズがある場合も少なくありません。そうした隠れた需要は近隣のほかのコインパーキングの稼働率に表れるため、事前にきちんとチェックすることが必要です。

コインパーキング経営のメリット

コインパーキング経営のメリット

コインパーキング経営にはさまざまなメリットがあり、余っている土地の活用に最適といえます。

ここでは、コインパーキング経営の3つのメリットをご紹介します。

コインパーキング経営のメリットの図解

狭小地や変形地でも経営できる

コインパーキング経営のメリットは、狭い土地や変わった形の土地でも経営できる点です。

広くてきれいな形の土地であればマンションを経てて経営するなどの選択肢もありますが、狭い土地やいびつな形の土地はそうした用途には使いづらいものです。一方で、コインパーキングの場合は、車を数台程度駐車できるスペースさえ確保できれば経営できるため、敷地面積が小さかったり変形地であったりしても、マンション経営などの他の土地活用より比較的使いやすいといえます。

手軽に始められて、撤去も簡単にできる

手軽に経営がスタートでき、撤去も簡単な点も、コインパーキング経営ならではのメリットです。

マンション経営ではマンションを建てる必要がありますが、コインパーキングの場合は初期費用も安く、早ければ1ヵ月程度でオープンできます。また、手軽に始められるということは、撤去も簡単だともいえます。想定より稼働率が伸びなかったり、管理の負担が重かったりした場合はすぐに撤去し、ほかの用途に転用することも可能です。

なお、駐車場経営企業と契約している場合は、撤去の3ヵ月前を目処に解約申込みをしましょう。

一括借り上げ方式なら知識がなくても始められる

一括借り上げ方式の場合、オーナー様は土地を貸し出すだけで初期投資も管理も専門の会社が行うため、専門知識がなくてもコインパーキング経営を始めることができます。また、一括借り上げ方式を採用している場合は、オーナー様の収益は賃料であるため、稼働率に関わらず常に一定の金額を確保することができます。経営の知識がない人にとっては、一括借り上げ方式を採用できる点は、コインパーキング経営の大きなメリットといえるでしょう。

コインパーキング経営のデメリット

コインパーキング経営のデメリット

うまく経営できれば多くのメリットを享受できるコインパーキング経営ですが、デメリットもないわけではありません。

ここでは、コインパーキング経営の3つのデメリットをご紹介します。

面積効率がよくない場合がある

面接効率がよくない場合がある点は、コインパーキング経営のデメリットです。

マンション経営は2階や3階まで部屋を作れるのに対して、コインパーキングは一般的に1階部分しか活用できません。2階や3階部分をつくって収益を増やすことも不可能ではないものの、その場合は機械式の立体駐車場などにする必要があり、初期費用が大きくかかってしまうでしょう。

競合が多い

コインパーキング経営には手軽に始めやすいというメリットがありますが、裏を返せば、競合が多いというデメリットがあるともいえます。

手軽に始めやすいのであれば、もちろん競合のコインパーキングも増えるからです。競合のコインパーキングが増えれば、稼働率を上げるために駐車料金を値下げしなければならないこともあり、収益は下がってしまいます。一括借り上げ方式で管理会社に管理を任せている場合は、賃料の減額をお願いされるかもしれません。

そのため、コインパーキング経営を行う場合は、近所に競合となる駐車場がどれくらいあるのかをあらかじめしっかりと確認しておきましょう。

税金の軽減措置がない

税金の軽減措置がない点も、コインパーキング経営のデメリットのひとつです。

駐車場として利用する土地の所有者は、固定資産税や都市計画税などの地方税を納める必要があります。率は自治体によって異なりますが、土地の上に宅地が建っていると、住宅用地の特例が適用され、固定資産税・都市計画税ともに減税されます。駐車場の場合は建物がないため、更地扱いとなり、これらの税金の軽減措置はありません。そのため、税負担という観点では、賃貸住宅をはじめとしたそのほかの活用方法に比べて負担が大きくなるといえます。

なお、駐車場設営にあたって最初にかかったアスファルト舗装分、ロック版などの設備については減価償却の対象になります。

駐車場経営企業を選ぶ際のチェックポイント

駐車場経営企業を選ぶ際のチェックポイント

コインパーキング経営は管理の手間が大きいため、オーナー様としては駐車場経営企業に管理を依頼するのが一般的です。では、駐車場経営企業はどのように選べばいいのでしょうか。

ここでは、駐車場経営企業を選ぶ際の3つのチェックポイントについて解説します。

スピーディーな対応ができるか

スピーディーな対応ができるかどうかは、駐車場経営企業を選ぶ際に必ずチェックしましょう。

いざコインパーキング経営を始めても、経営をきちんと回すことができなければ利益を生みだすことができず、維持費用だけがかかってしまいます。オーナー様としては、一日でも早く土地をコインパーキングにして利益を生みたいと考えているはずです。そうした事情を汲み取って、迅速に対応してくれる駐車場経営企業に依頼することが大切です。

何かと対応が早い駐車場経営企業であれば、コインパーキングでのトラブル対応など、何かあった場合も素早く動いて対処してくれるため、安心できるといえます。

幅広い提案ができるか

幅広い提案ができるという点も、駐車場経営企業を選ぶ際に大切なポイントです。

余っている土地をコインパーキングにすることが常に正解というわけではありません。土地の広さや周辺状況によっては、月極駐車場にしたり、駐輪場を併設したりと、さまざまな選択肢が考えられます。そうしたオーナー様の事情に合わせて、幅広く提案してくれる駐車場経営企業を選びましょう。

運営管理、メンテナンス作業がちゃんとしているか

駐車場経営企業を選ぶ際には、運営管理やメンテナンス作業をきちんと行ってくれる企業かどうかを見極めることも大切です。

コインパーキング経営で収益をきちんと上げるには、放置するのではなくしっかりと管理・メンテナンスを行う必要があります。清掃をせず、汚い状態になったコインパーキングを利用したい人は少ないからです。

こうした管理・メンテナンスに力を入れている駐車場経営企業かどうかを見極めて委託するようにしましょう。駐車場経営企業との契約前には、その駐車場経営企業が管理している駐車場を見に行くのもおすすめです。

コインパーキング経営のことなら、株式会社トヨタエンタプライズへご相談ください

コインパーキング経営のことなら、株式会社トヨタエンタプライズへご相談ください

コインパーキング経営は難しい専門知識を必要とせず、手軽に始められるメリットのある土地活用方法です。成功するためには土地の場所や広さ、広い道路への距離、周辺の状況などさまざまな要因が必要ですが、うまくいけばオーナー様に安定的な収益をもたらしてくれるでしょう。

株式会社トヨタエンタプライズでは、こうした点を踏まえた上で、オーナー様一人ひとりに合った最適な土地活用方法をご提案しています。コインパーキング経営のパートナーをお探しの方は、下記ページのフォームよりお問い合わせください。

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