駐車場経営に資格は必要?駐車場設置の申請が必要となるケースも解説

2024.03.01
駐車場経営に資格は必要?駐車場設置の申請が必要となるケースも解説

駐車場を経営するために、資格は必要なのでしょうか。駐車場経営の資格の必要性や駐車場経営を始める際に申請が必要になる場合についても解説します。

駐車場経営に資格は必要?駐車場設置の申請が必要となるケースも解説

土地活用の方法のひとつに駐車場経営があります。駐車場を経営するために必要な資格はあるのか、また自治体への特別な申請などが必要なのか、気になる方もいるのではないでしょうか。

今回は、駐車場経営の資格の必要有無や駐車場経営を行う上で役に立つ知識、駐車場経営を始める際に申請が必要になるケースなどについて解説します。

駐車場経営に資格は必要?

駐車場経営を行うために必要な資格はありません。駐車場経営は、資格がなくても始められる土地活用の方法のひとつです。
とはいえ、まったく知識がない状態で駐車場経営を始めることは難しいでしょう。駐車場経営で成功し、収益を得るために役立つ資格や知識について、次項で詳しくご紹介します。

駐車場経営で役に立つ資格や知識は?

駐車場経営は、資格がなくても始められる土地活用の方法のひとつです。
とはいえ、まったく知識がない状態で駐車場経営を始めることは難しいでしょう。スムーズに駐車場経営をスタートし、堅実に収益を得ていくためには資格や知識があると安心です。正しい知識がなければ、個人で駐車場を経営することは難しいでしょう。個人で駐車場を経営する場合土地の整備やアスファルト舗装、切り下げ工事、料金精算機やロック板、監視カメラの設置などをすべてオーナー様自身で行わなければなりません。また、誤った知識で駐車場を経営し続けると、営業停止となってしまうリスクもあります。

ここでは、駐車場経営を行う上で役立つ資格や知識について説明します。

日商簿記検定2級

日商簿記検定は、日本商工会議所と各地の商工会議所が実施する、簿記の技能をはかる検定試験です。日商簿記検定には、1級・2級・3級・簿記初級の計4つの階級があります。

日商簿記検定を取得しておけば、個人で駐車場を経営する場合のお金の流れや税金について理解が深まり、収益の管理や給与計算などにも役立ちます。駐車場経営を行うならば、日商簿記検定の2級の取得を目指すのがおすすめです。2級を取得できれば、具体的な数字を用いた経営シミュレーションもできるようになります。また、より堅実な駐車場経営の方針を立てたり、経営不振に陥る前に対策を講じたりもしやすくなるでしょう。

なお、3級でカバーできるのは商業簿記の初歩的な知識にとどまるため、経営のための知識としては不十分です。また、1級は難易度が最も高いため、駐車場経営のためだけに取得する必要はありません。

車に関する法律の知識

駐車場経営では、駐車場法や道路交通法などの車に関する法律を予備知識として覚えておくことをおすすめします。

・駐車場法

駐車場法は、都市部における自動車の駐車のための施設の整備について必要な事項を定め、道路交通の円滑化を図ることを目的として1957年に制定された法律です。駐車場経営においては、駐車場面積等が定められた重要な法律といえます。

・道路交通法

道路交通法は、1960年に制定された、道路における危険防止や交通の安全などを目的として自動車の交通ルールや交通法規をまとめた法律です。時代のニーズに合わせて都度改正されており、2019年には携帯電話のながら運転厳罰化、2020年にはあおり運転厳罰化などの改正が実施されています。

駐車場を利用する際は公道からの出入りが必要となるため、道路交通法は駐車場経営においても重要な法律といえるでしょう。

駐車場経営に関わる税金の知識

駐車場経営に関わる各種税金についても、知っておく必要があります。税金にもさまざまな種類がありますが、例えば固定資産税や都市計画税は、駐車場のオーナー様が年に一度納付する義務がある税金です。税金について正しく理解していない状態で駐車場経営を行うと、オーナー様にその気がなくとも不正と捉えられてしまい、追加徴収が発生する可能性もあるため注意が必要です。

ここでは、駐車場経営に関わる主な4種類の税金について見ていきましょう。

・固定資産税

固定資産税は、毎年1月1日時点に不動産や土地を所有していると発生する税金です。市町村が固定資産税評価額をもとに税額を算出し、納税者には毎年4月頃に納税通知書が届きます。税率は1.4%です。
なお、宅地などの場合は税額の減免がありますが、駐車場は更地評価となり、減免されることもありません。

・都市計画税

都市計画税は、固定資産税と同じく毎年1月1日時点で不動産や土地を所有していると発生する税金です。
毎年4月頃に固定資産税と併せて通知が届きます。上限0.3%の制限税率で、自治体によって異なるため確認しておくと良いでしょう。

・消費税

消費税は、商品やサービスを購入した際に、その対価の10%または8%を消費者が負担する税金です。事業者は受け取った消費税を国や地方に納める義務があります。土地の賃貸などの場合は非課税取引となりますが、駐車場経営では駐車場としてサービスを提供することとなるため、消費税が発生します。
なお、個人事業主の場合は、一昨年もしくは昨年の上半期の課税売上高が1000万円を超える場合や適格請求書発行事業者に登録している場合には消費税を納税する義務がありますが、1000万円以下の場合、納税義務はありません。

・所得税

所得税は、年間所得から必要経費を差し引いた金額に掛けられる税金です。
駐車場経営で得た所得はおおむね不動産所得に該当し、駐車場経営のほかに給与所得などがある場合は確定申告が必要となります。
なお、各税金の詳細については、オーナー様自身で国税庁のウェブサイトや各自治体の管轄税務署へ確認しましょう。

駐車場経営で申請が必要になるケースとは?

駐車場経営をするために資格は必要なく、土地や初期費用があれば基本的に誰でも経営することができます。ただし、一部のケースでは自治体への申請が必要となるため、ここで確認しておきましょう。

自治体への申請が必要なのは「駐車場面積が500平方メートルを超えた場合」です。この場合は駐車場法の第11条・第12条に基づき、申請が必要となります。

駐車場法が適用された駐車場内で不特定多数の利用者から料金を徴収する場合は、自治体に対して駐車場設置の届出を提出する必要があります。なお、徴収する利用者が決まっている月極駐車場は、申請対象外です。

また、駐車場法が適用された際は、下記の書類の提出が必要です。

<駐車場面積が500平方メートルを超えた場合に提出が必要な書類>
・路外駐車場設置届出書
・駐車施設の概要書
・平面式の場合は平面図
・駐車場の位置を表記したもの
・管理規程届
・委託する場合のみ業務委託契約書のコピー

また、路外駐車場設置届出書に記載が必要な項目は、下記のとおりです。

<路外駐車場設置届出書の記載項目>
・駐車場の名称
・駐車場の位置
・駐車場の規模(駐車場の区域の面積、駐車場の用に供する部分の面積)
・構造(舗装様式、建築物である部分・ない部分など)
・設備
・使用開始日(駐車場の営業開始予定日)

また、駐車施設の概要書には、駐車場の名称や所在地、構造規模などを記載します。
届出書や概要書は各自治体にひな形が用意されているため、平面図や地形図とも併せてあらかじめ用意しておくと良いでしょう。

なお、500平方メートル超えのコインパーキングの経営をする場合は、コインパーキング使用開始日から10日以内に駐車場管理者の住所および氏名、駐車場の使用時間、駐車料金などについて定めた管理規程の届け出を行わなければなりません。
各自治体によっては、届出書類の記載や内容が異なったり、届出相談の日時を調整が必要な場合もあるため、事前にオーナー様自身で確認しておく必要があります。余裕を持って計画するのがおすすめです。

駐車場経営の申請完了までの流れ

前述のとおり500平方メートルを超える駐車場を経営する際には、あらかじめ自治体への申請が必要です。ここでは、申請方法の流れについて順を追って説明します。

1 必要書類を提出する

駐車場経営の申請を行う際は、自治体の窓口へ「路外駐車場設置届出書」や「管理規程届」などの必要書類を提出します。市役所や区役所の窓口で申請できますが、わからない場合は各自治体のウェブサイトなどで確認することをおすすめします。必要書類がわからない場合も、事前に電話で確認しておくと安心です。

なお、駐車場の変更や休止などをする場合も届け出が必要ですが、同じ自治体の窓口で手続きすることができます。

2 書類審査を行う

駐車場設置の申請をすると、路外駐車場担当窓口による書類審査が行われます。

それと同時に、各都道府県の警察本部の交通部交通規制課に照会され、駐車場出入口の安全性を現地で確認されます。書類提出から警察本部による現地視察までには、30日程度かかるのが一般的です。

3 現地確認を行う

警察本部からの現地視察の結果が特に問題なければ、経営者の立会いのもと自治体が駐車場予定地の現地確認をします。現地確認の際には、申請時に提出した書類の記載内容と土地の実際の状態との相違がないかをチェックされます。

この時点でもし不備が見つかった場合は、極力早めに対応することが大切です。対応が滞ってしまうと、その分駐車場経営を開始できる日も遅れてしまうため、できるだけすみやかに対応しましょう。

4 提出書類が返却される

現地調査が終了すると、自治体から提出書類が返却されます。
検査結果が「非」の場合は、路外駐車場管理者が土地の状況を改善しなければなりません。また、検査結果が「是」であれば、検査日から10日程度以内に審査済の書類が交付され、手続き完了となります。

手続き完了までにかかる日数は、40日程度です。そのため、駐車場の利用開始日を決める際は、この日数も考慮して余裕のあるスケジュールを立てることが大切です。また、利用開始日までに手続きが完了するように、必要書類の準備や手続き後の対応もすみやかに行いましょう。

なお、今回ご紹介した手続きの流れはあくまで一般的なものです。細かい手続きの流れは自治体によって異なる場合があるため、まずは自治体に確認してみることをおすすめします。

駐車場経営に資格は不要!役立つ知識を身につけて経営成功を目指そう

駐車場経営をするにあたり、取得必須の資格や免許はありません。そのため、誰でも始めやすい土地活用の方法として駐車場経営は人気があります。とはいえ、何の知識もない状態で経営を始めようとすると失敗するリスクが高いため、駐車場経営に役立つ法律や経理、税金などに関する知識を身につけておくことが大切です。安全に駐車場経営を行い、堅実に収益を得ていくためにもまずは必要な知識を習得し、必要な申請も早めに行いましょう。

株式会社トヨタエンタプライズでは、オーナー様一人ひとりに合った土地活用の方法をご提案し、駐車場経営の成功をサポートいたします。駐車場経営をスムーズに行いたいオーナー様も、ぜひ一度トヨタエンタプライズへご相談ください。

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