駐車場経営の始め方は?必要な知識や諸費用、成功の秘訣などを解説
2024.03.01駐車場経営を始めるには、駐車場としての土地活用や経営方式、経営にかかる費用に関する知識が必要です。必要な知識や諸費用、成功するための秘訣をご紹介します。
目次
駐車場経営の始め方は?必要な知識や諸費用、成功の秘訣などを解説
駐車場経営を始めたくてもどのように始めれば良いのかわからない、という方もいるのではないでしょうか。駐車場を経営するには、駐車場としての土地活用や経営方式、経営にかかる費用などに関する知識が必要です。
今回は駐車場経営を始める際に、知っておきたい知識や諸費用、成功するためのポイントなどをご紹介します。
駐車場経営に必要な知識
駐車場経営とは、所有する土地に駐車場を設置して、利用者の支払う駐車料金を収入として得る土地活用の方法です。
比較的初期費用を抑えながら始められて、経営者に必要な資格もないため、下記のようなニーズを持つオーナー様に向いています。
<駐車場経営に向いているオーナー様の主な特徴>
・初めて土地活用をしたい
・所有する土地があるけれど、マンションを建てるほどの広さではない
・将来的にはマンションを建てたいけれど、今は短期的な収入源を探している
駐車場経営は、アパートやマンションの経営と比較すると費用面でもハードルが低く、また難解な専門知識もほとんど必要ありません。そのため、比較的手軽な土地活用の方法といえるでしょう。
駐車場の経営方式
駐車場の経営方式は、個人経営方式、管理委託方式、一括借り上げ方式の3種類に分けることができ、駐車場経営を始める際にはいずれかの経営方式を選択する必要があります。ここでは、それぞれの特徴について説明します。
・個人経営方式
個人経営方式は、駐車場にするための土地の整備から、利用者の募集、駐車場の開設後の運営、賃料の回収までの全工程をオーナー様が個人で一貫して担う経営方法です。
初期投資とランニングコストがかかり、集客や運営管理の手間もオーナー様自身が負担するというデメリットがありますが、得た収益はすべてオーナー様に入るというメリットがあります。
・管理委託方式
管理委託方式は、経営はオーナー様が担い、利用者の募集や賃料の回収、トラブル対応といった駐車場の管理全般を不動産会社や駐車場経営企業などに委託する方法です。
駐車場に必要な機器設置などにかかる初期費用と、管理委託料がかかります。多忙な方や、遠方に土地があるためオーナー様自身での管理が難しい場合など、管理の手間を省きたい方に向いています。
・一括借り上げ方式
一括借り上げ方式は、土地を丸ごと不動産会社や駐車場経営企業に貸し、オーナー様は一定の賃貸収入を得る方法です。
駐車場設備などにかかる初期投資やランニングコストは原則不要となり、管理の手間もかからないというメリットがあります。
駐車場の経営方法
駐車場の経営方法は、月極駐車場とコインパーキングの2種類に大きく分けられます。それぞれの特徴を踏まえて、オーナー様の状況に合う経営方法を選択することが大切です。
・月極駐車場
月極駐車場は、駐車場を1ヵ月ごとの契約で貸し出し、収益を得る仕組みの駐車場です。マンションやアパートなどの賃貸借契約と同様に、月に1回、1ヵ月分の賃料が利用者から支払われます。
契約者がいる車室からは、賃料が前払いで継続的に入ってくるため、安定的な収入を得ることができます。
・コインパーキング
コインパーキングは、不特定多数の利用者が空いている車室に車をとめて、利用した時間に応じた料金を支払う仕組みの駐車場です。
駐車後の車両の出入りを制御するロック板や利用料金を支払う精算機、看板などを設置すれば、管理人不在でも24時間営業が可能となります。
駐車場経営企業を介した駐車場経営の始め方
駐車場経営はどのように始めればよいのでしょうか。ここでは、駐車場経営企業に依頼する場合の駐車場経営の始め方について、5つのステップに分けて説明します。
1 土地の調査をする
まずは、駐車場にしたい土地を調査します。主な調査項目としては、下記のとおりです。
<土地調査の主な項目>
・立地
・土地の形状
・周辺の交通量
・周辺の駐車場に対する需要
土地の調査で収集した情報は、経営プランの選択や駐車場経営企業への相談で活用できます。
2 経営方式を選択する
駐車場経営に対する希望条件や土地の調査で得られた情報も踏まえて、個人経営方式、管理委託方式、一括借り上げ方式の3タイプから経営方式を決めましょう。
手数料や駐車場管理にかかる手間のバランスなども考慮しつつ、オーナー様の状況に合った方式を選ぶことが大切です。
3 駐車場経営企業に相談する
駐車場の施工や管理を請け負う駐車場経営企業に対して「月極駐車場とコインパーキングのどちらにするのか」「駐車場のレイアウトはどうするのか」などについて相談します。
相談で提案してもらう内容としては、下記が挙げられます。
<駐車場経営企業に相談すべき主な項目>
・駐車場のレイアウト
・収支計画
・契約期間
・管理形態
費用や管理の仕方など、土地活用における重要なプランをじっくりと検討するステップです。
オーナー様の納得できるプランが決まった段階で、契約に進みましょう。
4 駐車場を施工する
駐車場経営企業と締結した契約内容をもとに、土地を駐車場用地へと整備していきます。
土地に解体すべき建物がある場合は、解体業者に依頼して解体し、更地にするところからスタートします。
また、土地が更地になったら、砂利を敷いたり、アスファルト舗装をしたりして地面を整えましょう。その後、車止めを置いて駐車場の車室のラインを引き、フェンスなども設置します。防犯のためのライトを設置するのもおすすめです。
5 利用者を募集する
駐車場の施工が完了したら、最後に駐車場の利用者を募集します。
利用者の募集の仕方としては下記のような方法があるため、状況に合わせて選択しましょう。
<利用者募集の主な方法>
・駐車場の検索サイトに登録する
・個人経営方式でコインパーキングもしくは月極駐車場を運営する場合、集客のための看板を設置したり、チラシを配ったりして自分で募集する
・一括借り上げ方式もしくは管理委託方式にて月極駐車場を運営する場合、不動産会社に募集を依頼する
駐車場経営に必要な諸費用
駐車場経営にかかる費用は、初期費用と維持費に大きく分けられます。ここでは、月極駐車場とコインパーキングの場合でそれぞれかかる費用について説明します。
初期費用
まずは、駐車場経営にかかる初期費用について見ていきましょう。ここでは、月極駐車場とコインパーキングに分けて解説します。
・月極駐車場の初期費用
月極駐車場の経営でかかる主な初期費用としては、下記が挙げられます。
<月極駐車場の主な初期費用>
・土地の整備費用
・アスファルトやコンクリートの舗装費用
・車止めの購入費用
・車室を設置するためのライン引きやロープなどにかかる費用
・解体費用(土地に上物がある場合)
一般的には、コインパーキングよりも月極駐車場のほうが、設備投資にかかる初期費用は安く抑えられる場合が多いといわれています。
・コインパーキングの初期費用
コインパーキングは、管理人不在で24時間営業できるメリットがある一方で、確実に料金を回収するための設備投資が必要となります。初期費用としては、下記が挙げられます。
<コインパーキングの主な初期費用>
・土地の整備費用
・解体費用(土地に上物がある場合)
・土地の切り下げ費用(車両のスムーズな出入りのために、敷地の全面や隣の土地との段差をなくす工事)
・樹木などを含む障害物の撤去または移設の費用
・アスファルトやコンクリートの舗装費用
・料金精算機、ロック板などの設備機器の費用(一括借り上げ方式の場合は不要)
・監視カメラの設置費用(駐車場経営企業やオーナー様の要望に応じて設置)
設備にかかる費用は、駐車場を経営する企業の使用する機器によって変わってきますが、初期費用としては概算で数百万円程度かかります。
個人経営の場合は、この全額がオーナー様の負担となる点に留意しなければなりません。
管理委託方式の場合は、駐車場経営企業の方針によって費用の負担先が異なりますが、一般的にはオーナー様の負担となるケースが多いでしょう。
また、一括借り上げ方式の場合は、設備にかかる費用はすべて駐車場経営企業が負担します。オーナー様が負担するのは、土地の整備費用とアスファルトやコンクリートの舗装費用となるため、ほかの経営方式と比べて初期費用を抑えることができます。
維持費用
次に、駐車場経営にかかる維持費用について見ていきましょう。ここでは、月極駐車場とコインパーキングに分けて解説します。
・月極駐車場の維持費用
月極駐車場を経営する場合の主な維持費用は、下記のとおりです。
<月極駐車場の主な維持費用>
・固定資産税、所得税、住民税などの公租公課
・整備費
・清掃費
・保険料
また、固定資産税や住民税に加えて、収入に応じて所得税などの税金も発生します。また、駐車場の状態に応じて整備や清掃も行うため、その費用もかかります。
・コインパーキングの維持費用
コインパーキングを経営する場合の主な維持費用は、下記のとおりです。
<コインパーキングの主な維持費用>
・固定資産税、所得税、住民税、自治会費などの公租公課
・整備費(一括借り上げ方式の場合は不要)
・清掃費(一括借り上げ方式の場合は不要)
・機械のメンテナンス代(一括借り上げ方式の場合は不要)
・保険料、警備費用(一括借り上げ方式の場合は不要)
コインパーキングの場合、月極駐車場と同様にかかる固定資産税、所得税、住民税に加えて、24時間営業のために必要な機器のメンテナンスや警備にかかる費用も維持費として発生します。
また、経営方式が一括借り上げ方式の場合は、設備機器にかかる費用はすべて駐車場経営企業側が負担しますが、土地に関する費用は所有者であるオーナー様が負担します。
なお、個人経営の場合は、土地にかかる税金に加えて、設備機器のメンテナンス代や電気代、保険料や警備費などもすべてオーナー様の負担となることにも留意しましょう。
駐車場経営を成功させる秘訣
駐車場経営で成功するためには、経営を始める前に押さえておくべきポイントがいくつかあります。
ここでは、駐車場経営を成功させるための秘訣について説明します。
立地を見極める
立地の良さは、駐車場経営で成功できるかどうかを大きく左右します。一般的に、学校や病院、商業施設や駅などの人が多く集まる場所の近くは、駐車場の需要が高いといえます。
そのため、まずは所有する土地が駐車場経営に向いているかどうかをきちんと見極めてください。
また、月極駐車場とコインパーキングのどちらが向いているのかも、立地から判断することが大切です。月単位で契約する月極駐車場は、オフィス街や住宅地でのニーズが高いでしょう。
一方、単発での利用者が多いコインパーキングは、商業施設や駅、病院などの周辺だと多くの利用者を獲得できるはずです。
自分に合った駐車場経営企業を選ぶ
駐車場の経営方式で、一括借り上げ方式もしくは管理委託方式を選択する場合は、オーナー様の方針に合い、信頼できる駐車場経営企業に管理を依頼することが大切です。
そのため、口コミや評判も参考に、駐車場の管理を安心して任せられる企業かどうかを判断しましょう。その企業の管理する駐車場が近くにあれば、現地に確認しにいくのもおすすめです。
相場を確認した上で料金を設定する
駐車場の利用料金は、周囲の駐車場の相場を確認した上で設定しましょう。
周囲の駐車場よりも料金が割高だと、利用してもらえる可能性も低くなります。逆に相場よりも安すぎると、収益にはつながりません。周囲の駐車場の料金の相場に近い料金を設定することが大切です。
なお、料金の相場は変動することもあるため、料金のリサーチは定期的に行うことをおすすめします。
実質利回りで収益の計算を行う
駐車場経営の収益をシミュレーションする際は、収益から初期費用や維持費などの経費を差し引いて算出する「実質利回り」で計算することをおすすめします。実質利回りで計算する方法は、下記のとおりです。
<駐車場経営の実質利回りを求める計算式>
駐車場経営の実質利回り=(年間収益-経費)÷投資額×100
実質利回りでシミュレーションすることで、より実際の収益に近い金額を把握できるでしょう。
駐車しやすいレイアウトにする
駐車場のレイアウトは、土地の面積に対して余裕のある収納台数にすることと、駐車しやすい車室の配置にすることを意識しましょう。
これらを意識したレイアウトにすれば、車に乗り降りするときや車室を出入りする際に利用者が感じるストレスを抑えられるため、リピーターの増加が期待できます。
駐車場経営の始め方に悩んだら、プロへご相談ください
初めて駐車場経営をする場合は、経営方式の種類や経営開始までの流れ、初期費用・維持費の種類などを押さえて、堅実な経営を目指しましょう。疑問点や不安な面がある場合は、早めに駐車場経営企業に相談して、オーナー様の方針に合う経営プランを立ててもらうこともおすすめです。
株式会社トヨタエンタプライズでは、オーナー様一人ひとりに合った土地活用の方法をご提案し、駐車場経営の成功をサポートいたします。
駐車場経営の始め方にお悩みのオーナー様は、ぜひ一度トヨタエンタプライズへご相談ください。