駐車場経営は低リスク?行うべきリスク対策とともに解説

2024.03.01
駐車場経営は低リスク?行うべきリスク対策とともに解説

駐車場経営は、リスクが低い土地活用の方法のひとつです。駐車場経営を始めるにあたって知っておきたいリスクや、起こりうるリスクへの対策などを解説します。

駐車場経営は低リスク?行うべきリスク対策とともに解説

駐車場経営は、所有している土地を貸し出して収益を得る投資方法のひとつです。
土地を活用した投資の中では比較的低リスクだと聞き、所有する空地の活用方法として検討している方も多いのではないでしょうか。
確かに、駐車場経営は初期投資が抑えられ、土地の形にとらわれず活用できることなど、始めるハードルが低い投資方法ではあります。しかし、投資である以上、リスクやデメリットはゼロではありません。

今回は、駐車場経営を始めるにあたって知っておきたいリスクや、それらのリスクへの対策などについて解説します。

ほかの土地活用と比べて、駐車場経営は低リスク?

駐車場経営は、ほかの土地活用に比べてリスクが低い投資方法です。
土地を活用した投資方法には、土地にアパート・マンションや戸建てといった収益性のある建物を建てて賃貸経営する方法をはじめ、コインランドリー、太陽光発電などの事業者に土地を貸すことで収益を得る方法があります。

駐車場経営はそうした投資方法のひとつで、駐車場経営の種類には、1ヵ月契約で駐車場を貸し出す月極駐車場と、短時間の駐車用スペースを不特定多数の利用者に貸し出すコインパーキングがあり、ほかの土地活用方法に比べて低リスクであるといわれています。

■各土地活用の特徴一覧

では、なぜ駐車場経営はリスクが低いのでしょうか。その理由は大きく2つあります。

初期投資が抑えられる

駐車場経営が低リスクだといわれている理由のひとつとして、初期投資を抑えられる点が挙げられます。
例えば、アパートの賃貸経営を始める場合、初期費用としてアパート本体を建てる費用、地盤改良工事や外構工事、電気・ガス・水道の引き込みなどにかかる付帯工事費、不動産取得税、登記費用、火災保険や地震保険などの各種保険料がかかります。さらに、毎月の光熱費、管理費、不定期にかかる修繕費といったランニングコストも考慮しなくてはなりません。

一方、駐車場経営で必要な初期投資は、駐車場設備にかかる費用と、環境立地に応じて必要な工事費や修繕費です。駐車場経営の方式によって実際にかかる金額は変わるものの、一括借り上げ方式によって駐車場経営を行った場合は、金銭的なリスクはかなり低減させられるでしょう。

土地の上に建物がない

土地の上に建物がないことも、駐車場経営のリスクが低い理由です。
駐車場経営は土地に上物を建てないため、地震などの自然災害による倒壊リスクや、火災による消失リスクがありません。災害後も比較的早く事業を再開することができ、収入が途切れにくいのもメリットでしょう。リスクを抑えて土地活用を始めたい投資初心者には、特におすすめの方法です。

リスクが低いだけじゃない!駐車場経営におけるメリット

駐車場経営のメリットは、低リスクであること以外にどんなことがあるのでしょうか。ここでは、そのほかの土地活用方法と比較した際の、駐車場経営が低リスクであること以外の4つのメリットをご紹介します。

■駐車場経営におけるメリット

駐車場経営のメリット主な内容
転用性が高い賃貸住宅のように施工や解体に時間がかからないため、始めやすく撤退しやすい
狭小地や変形地でも活用できる1台分の駐車スペースがあれば活用可能
場所を問わず一定のニーズがある駅や繁華街の近くでなくても一定の利用者の需要が見込める

転用性が高い

駐車場経営のメリットとしては、転用性の高さが挙げられます。
アパートやマンションなどを建てて貸し出す土地活用方法では、万が一採算が取れずに撤退した場合、ほかの活用方法への転用が容易ではありません。入居者と普通賃貸借契約を結んでいる場合、貸主側の都合による解約には6ヵ月前の通知のほか、賃借人の違反行為がなく解約を申し入れるという「正当事由」も必要です。

一方、駐車場経営の場合、コインパーキングなら賃借人がいないため、煩雑な手続きが必要ありません。月極の契約であっても、一般的には1ヵ月前の予告で退去をしてもらうことができます。加えて、建物が建っていない分、更地に戻すのにもそれほど手間がかかりません。そのような理由から、駐車場経営は転用性が高く、始めやすくやめやすい土地活用方法だといえます。

狭小地や変形地でも活用できる

狭小地や変形地でも活用することができる点も、駐車場経営のメリットといえるでしょう。
通常、数坪しかないような狭小地や、いびつな形をした土地は、建物を建てることによる土地活用に限界があります。しかし、駐車場経営なら車1台分の幅があれば始められ、一般的に活用が困難な土地でも有効活用できます。

場所を問わず一定のニーズがある

場所に関係なく、一定のニーズがある点も、駐車場経営のメリットのひとつです。
賃貸経営やコインランドリー経営などは、駅からの距離をはじめとした立地が非常に重要です。一方、駐車場経営は、駅から離れた住宅街や、繁華街から遠い場所でも一定の需要が期待でき、立地条件が悪い土地でも収益が見込めます。

駐車場経営の金銭的リスクは経営方式によって異なる

駐車場経営の金銭的リスクは経営方式によって異なる

前項でふれたとおり、駐車場経営は土地活用の中では低リスクです。しかし、失敗した場合に金銭的な損失をゼロに抑えることはできません。金銭的なリスクの大きさは、駐車場の経営方式によって異なります。
駐車場の3つの経営方式と、それぞれのリスクについて見ていきましょう。

■駐車場の各経営方式と特徴

一括借り上げ方式

一括借り上げ方式は、駐車場経営企業に土地を貸し、賃貸収入を得る方法で、一般的にコインパーキングで採用される経営方式です。稼動率が低くても賃料は変わらないため、収入が上下しにくく、最も金銭的リスクが低い方法です。そのため、実際の稼働率に関わらず、一定の収入を得ることができます。

管理委託方式

管理委託方式とは、利用者の募集、賃料回収、トラブル対応といった管理業務を運営会社に委託し、オーナー様が経営を担う経営方式で、コインパーキングでも月極駐車場でも選択できます。運営会社に管理業務を任せられるため、遠方の土地の活用に向いている経営方式です。
売上から管理委託料を差し引いた分がそのまま利益になる点がメリットですが、整地や機器設置など初期投資にある程度の費用がかかるというデメリットがあります。

個人経営方式

個人経営方式とは、土地の整備から利用者の募集、駐車場開設後の運営や賃料の回収、清掃まで、すべてをオーナー様が担う経営方式で、コインパーキングでも月極駐車場でも選択できます。初期投資とランニングコストが必要で、管理業務にも手間がかかりますが、売上はそのままオーナー様の利益になります。そのため、収益性が最も高い経営方法といえます。

ただし、見込みに反して売上が上がらない場合、初期投資分が回収できないばかりか赤字が続く場合があるでしょう。

駐車場経営に発生しうるリスク

前述のとおり、駐車場経営は他の土地活用と比較するとリスクが低い土地活用の手段といえますが、考慮すべきリスクがまったくないわけではありません。駐車場経営において起こりうるリスクをあらかじめ把握して、備えておきましょう。

駐車場経営に発生しうるリスク

事故が発生する

駐車場経営を行う上では、車両が絡む事故が起こるリスクがあります。機械設備やフェンスにぶつかる単独の物損事故、入出庫の際に車同士がぶつかる接触事故、駐車場の前を歩いていた歩行者と車との事故などが考えられます。
いずれも運転者の過失と判断されるケースがほとんどですが、駐車場のレイアウトに無理があったり、管理が行き届いていなかったりすると経営側の責任が問われるおそれがあるため、注意が必要です。

盗難が発生する

駐車場内で発生しうるリスクとして、とめてあった車が車上荒らしに合う、精算機からお金が盗まれるといった盗難の被害も挙げられます。そのような犯罪をできる限り抑止するためには、あらかじめ防犯カメラを設置しておくことがおすすめです。

不正駐車される

決められた場所に駐車しない、決められた方法で駐車しないといった不正駐車は、駐車可能台数が制限されたり、本来の料金を回収できなかったりするリスクを引き起こします。防犯カメラを設置するなどの工夫が必要です。

災害による被害を受ける

駐車場経営は災害リスクが少ない土地活用方法ですが、災害による被害がまったくないわけではありません。地震によって駐車スペースにひびが入ったり、ひどい場合は液状化したりすることもあります。
また、精算機や管理システムが故障し、作動しなくなることもありえます。台風の強風で周辺の木々が倒れて駐車場が運営できない、装置内の機械の倒壊や部品落下で二次災害が起こるといった可能性も視野に入れた上で、経営を行うことが大切です。

たまり場になる

立地によっては、子供や若者のたまり場になることにも注意が必要です。
管理人が常駐しているわけではないため、車がとまっていなければ格好の空き地として人が集まってしまう可能性があります。禁煙なのにたばこを吸ったり、大声を出したりといった迷惑行為が続けば、近隣住民からの苦情につながることもあるでしょう。周囲の目が厳しくなり、駐車場経営そのものに悪影響を及ぼしてしまうため、たまり場にならないための工夫が必要です。

不法投棄される

人がいないのを良いことに、たばこや紙くずなどをポイ捨てしていく人や、粗大ごみを持ち込んで不法投棄する人もいます。掃除の手間がかかるだけでなく、捨てられたごみが悪臭を発したり、景観を乱したりして、地域の人に迷惑をかけることも考えられます。

賃料を滞納される

賃貸住宅の経営でも賃料の滞納や踏み倒しが問題視されますが、駐車場経営でも賃料をスムーズに回収できずトラブルになることがあります。電話や手紙などで督促しても支払われない場合、支払いや立ち退きを求める裁判を起こさざるをえない可能性もあります。

駐車場経営のリスク対策

駐車場経営におけるリスクをできる限り低減するには、どのような対策を行えばよいのでしょうか。ここでは、下記に挙げるような対策が有効です。

駐車場経営のリスク対策

周辺をよくリサーチしてから経営を始める

駐車場経営が失敗する要因の多くは、事前のリサーチ不足です。駐車場の収益性は、周辺の環境にあった駐車場の経営方式を選べるかどうかで大きく変わってきます。例えば、駐車場を併設していない戸建てや、駐車場の数が少ないマンション付近なら、月極駐車場のニーズが高めであると推測できます。

一方、繁華街やショッピングセンター、駅の近くなどでは、時間貸しのコインパーキングの需要が高いでしょう。こうした周辺環境のリサーチを怠ると、稼働率が上がらず、収益につながりません。
また、周辺に競合が多い場合、競合の価格設定もリサーチが必要です。特に月極駐車場は、エリアの平均的な価格から逸脱すると契約数が伸び悩みます。

保険に加入する

施設の構造上の欠陥などが事故につながった場合や、精算機やロック板といった設備への損害を被った場合に備えて、施設賠償責任保険や動産総合保険に加入しておきましょう。
そのほか、状況に応じて、建物内での火災での損害に補償がつく火災保険なども加入しておくと安心です。放置車両の撤去費用を補償する放置車両対策保険などもあります。

防犯カメラを設置する

駐車場内の犯罪やトラブル抑止のため、周辺環境に応じて防犯カメラの設置を検討しましょう。
無断駐車などの不正利用の追及にも役立つため、初期投資を惜しまず、昼夜を問わず鮮明な映像が撮れるものを設置してください。防犯カメラが見える位置にあることは、利用者の安心感にもつながります。

オーナー自身で巡回する

余裕があれば、オーナー様自身で定期的に駐車場内を巡回するのも手です。掃除やメンテナンスのついでに巡回することで、トラブルの芽を未然に摘む可能性があります。
人の姿が見えることによって、ポイ捨てなどの抑止効果も期待できるでしょう。

ハザードマップを調べておく

ハザードマップを調べておく

地形や地盤、過去の災害履歴から未来の災害発生リスクを示すハザードマップも調べておきましょう。
もし、水害の危険が高い場合は、火災保険に台風や暴風雨などの水災による損害を補償する水災特約をつけておくなどの対策が可能です。

看板などで注意喚起をする

無断駐車や不正利用には、看板を使って違反者に罰金を課す意思を示すのも有効です。周辺環境への配慮をしながら、適した場所にわかりやすい配色の看板を立てて注意喚起をしましょう。

警備員を配置する

駐車場内に警備員の配置することで、かなりの抑止効果が見込めます。ただし人件費がかさむため、「混み合う週末の昼間だけ」「これまでの傾向から、若者がたむろしやすい金曜の夜だけ」といったように柔軟に契約できる会社を探すと良いでしょう。

賃料を前払いにする

月極駐車場は、賃料を前払いにすることで滞納や踏み倒しを防ぐことができます。また、入金を確認する手間もありません。

駐車場経営企業に管理を委託する

駐車場経営にまつわるリスクを軽減するには、管理を専門の企業に任せるのが有効です。実績のある駐車場経営企業なら、立地や環境を踏まえて適切なリスク対策をしてくれるでしょう。

リスクを抑えた駐車場経営をお考えのオーナー様は、株式会社トヨタエンタプライズへご相談ください

コインパーキング経営のことなら、株式会社トヨタエンタプライズへご相談ください

駐車場経営にはメリットが多くある一方、気をつけるべきリスクも少なからず存在します。できるだけリスクを抑えて駐車場経営をするために、駐車場経営企業への管理の委託を検討しましょう。

リスクを抑えつつ駐車場経営を行いたいとお考えのオーナー様は、駐車場経営のサポートの手厚さに定評がある株式会社トヨタエンタプライズに、ぜひご相談ください。

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